朝6時に家を出てオークション会場へ。
出品した車に値段が付かず売れ残れば乗って帰るつもりだったが、安かったが一応は売れたので電車で帰社。
昼12時に駅に着いて駅前商店街を歩き地元で昔から続く煎餅屋の前に差し掛かる。
前を行く中年女が店頭のトレイから煎餅を一袋摘まみ上げると、手提げカバンの中へ滑り込ませる。
一瞬の神業。店の人が見ていなかったことは確認しただろうが後ろを未確認だったのは迂闊だった。
しかも私はその道のプロなんだから一瞬の動きで分かるんですよ。(なんのプロなんだか?)
しばらく歩いて角を曲がった所で「お金払っていませんよね」、とテレビの密着〇〇のように優しく声掛けする。
女は慣れた風で何のことですか、と無視して先を急ごうとする。
馬鹿な女だ。ここで与えられたチャンスを活かしていれば良かったものを。
はにかむように笑い顔を浮かべて肩をすぼめ「あれ〜え、私忘れちゃったかなぁ」「ごめんなさ〜い」ってな感じでぶりっ子しながら店に戻る素振りをしていれば私の態度も多少は軟化していたかも。
私も声を掛けた手前、足早に立ち去ろうとする女に対し徹底的に付き纏う。
傍から見れば変質的ジジイが女にストーカー嚙ましているようにしか見えないだろう。
女もそれを狙っているのか。「カバンに入れたものを出しなさい。私はプロなんだからごまかしは効かないんですよ」と。
商店街を一周しながら説得する。根負けしたのか「お金払って買いますから」「あなたは関係ないでしょう」「向こうに行ってください」と反省の態度は皆無だ。
一緒に煎餅屋の前に到着。ここでも素直に罪を認めればと、最後のチャンスを与えたつもりだが、全く通じていない。
万引きした煎餅が並んでいるのと同じトレイにあった二袋を取り上げると、カバンから出した件の一袋をひとまとめにしてレジの前に置いて「これ買いますから」と言うと同時に千円札を差し出した。
これなら200円の煎餅を三袋購入しているように装えるのだ。慣れたもんだ、感心する。
家族経営のこじんまりとした老舗の煎餅屋だが先代とは自治会などで旧知の仲。
野方を取り上げたテレビ番組、地井散歩やアドマティック天国などで取材が入る地元では有名店なのだ。
店番をしていた若旦那に事情を話し万引きである旨を説明。若女将が駅前交番に奔りオマワリ三名を連れてきた。
オマワリが来ると女のさっきまでの高飛車な態度は急変。
店内の床に正座して両手をついてオマワリに「すみません」と泣いて謝っている。
謝る相手が違うんだよね。煎餅屋は勿論だが、人を小馬鹿にした態度をとった私に対しても謝るべきなんだよ。
オマワリは交番で暇していたところ燃料投下してもらって喜んでいる。謝罪される筋合いではない。
女の身元確認したところで、今度は私の方に矛先が向いてきた。
身元確認と運転免許証の提示を求められた。
単なる目撃者ではなく、被疑者の身柄を確保した当事者と言うことで調書を作成したい、
ついては警察署へ出頭して欲しいとか言い出した。
狙いは私の身柄を確保した上で、女に対する暴行とかなんとか理由を付けて逮捕することにある。
腕を掴んだとか衣服の端を触ったとか、一般人なら到底あり得ない理由づけで事件化するのが警察なのだから。
勿論、それが分かっているから女には一切触れていないが、私自身が「触れていないこと」を証明できなければ
「触れた=暴行した」ということで事件化してしまうのが警察のヤリクチだ。。
気の毒に思ったのか煎餅屋の若旦那は警察に対し「事件化しない。女を訴えない」と言って私の釈放に協力してくれた。
教訓としては万引きを見たら見ぬ振りをする、っていうことだろうか。
これだって考えようによっては、初めから公安が仕組んだ絵図であった可能性もある。
商店街を歩いて来る私の前に万引きする女を用意しておく。
私が声を掛けたら逃げるか暴れるかして取り押さえた私に対し暴行・傷害の現行犯を適用するとか。
公安警察なんてい言うのは犯罪を創造し無実の人間を葬り去ることになんの躊躇いもないから厄介なのだ。
思ったのだがこの女は相当知っているね、刑事事件での逮捕後の流れとか。
保釈中かベントー持ち(執行猶予中)なんだろうか。ここで逮捕されたら逆戻りって事を分かっているからオマワリに対し必死に許しを請うた。
ムショでの過酷な暮らしはもう勘弁て事なんだろう。