都立高校定時制4年生の卒業作品発表会が開催された。
ここ数年は毎年来賓として招待されているので出席しているのだが、今年は野方WIZホールで
都の担当部署職員も呼んで大々的に開催していた。
高校生の製作物や研究成果を一組7分程度の持ち時間で発表するのであるが、
生徒たちのとっては人世で最初に立ち向かう大試練となるのではないか。
ステージの袖からプロジェクターを駆使して観客席に座る来賓や教師・在校生に対し説明をする。
それなりに皆、一生懸命に考えたテーマに沿って作品を作ったり、実験研究の成果を発表し質問を受ける。
たどたどしい受け答えも人生の勉強となる。
都立の工業高校。その中でも定時制課程となれば皆、一様に重いものを抱えて入学してくる。
それなりの事情を抱えて中学の3年間を過ごし、本人が希望したか否かに関わらず最終的に本校の門をくぐり入学式に望むことになる。
私は過去、入学式の祝辞の中で新入生とその保護者に語りかけてきた。
「皆さんの中で、高校受験に際し本校に入学することを目指して受験勉強をした人はいないと思います。
最終的に何らかの縁があってたまたま本校に入学することになったのでしょう。
だけど、安心してください。周りにいる同級生は皆、同じなのです、、、、」
一般の中学生なら志望校に合格する為に必死に勉強するところ、最初から都立工業の定時制を目標にする生徒はあまりいないだろう。
本校では生徒が集まらず二次募集・三次募集・四次募集までかけているが全校生徒は数十人程度。受験すれば不合格となる生徒はまずいないだろう。それでも本校を必要としている生徒は確実にいる。
総合技術科の中に機械コースと食品コースがある。
お土産に高校で作った工業製品や食品をもらってきました。【写真】
地元においてジャムや缶詰は結構評価が高い。
我々の世代では都立で工業高校と言えばワルのイメージだった。
毎日、近隣校との喧嘩に明け暮れたり、無免許でバイクを乗り回すなどツッパリという言葉で言い表していた。
または野球やサッカーの強豪校と言う硬派のイメージ。
でも、今の都立工業高校は全然違うんですよ。
ある種、そういったレベルにさも達していないと言うか、割と無気力なおとなしい生徒が集う場になっている。
中には少数ヤンチャな若僧もいるけど。