9月30日に投開票が行われた沖縄県知事選挙。
夜8時の投票締切り直後に玉城氏の当選が決まった。
予想通りの結果だった。
落選した佐喜間氏に対しては自民党の大物といわれる議員が連日応援に駆けつけて支持を訴えた。
小池都知事も参戦したようだ。
こういった中央政界頼みの選挙が逆に沖縄県民の反感を買うとは思わないかったのか。
沖縄県民は蚊帳の外で中央政界の思惑に翻弄されている、との印象を持たれるといった事を危惧しないのか。だとしたら、沖縄県民というか琉球人の心の琴線に触れようとしない中央政界との溝は益々深まるばかりであろう。
選挙期間中に引退コンサートを行った安室奈美恵という沖縄出身の芸能人がいたが、彼女が玉城氏を応援支持しているのではないかといったデマがネット社会で流れていたと言う。
故翁長前知事から県民栄誉賞を授与された安室氏は8月8日の翁長氏逝去に際し、
〈翁長知事の突然の訃報に大変驚いております。
ご病気の事はニュースで拝見しており、
県民栄誉賞の授賞式でお会いした際には、お痩せになられた印象がありました。
今思えばあの時も、
体調が優れなかったにも関わらず、
私を気遣ってくださり、優しい言葉をかけてくださいました。
沖縄の事を考え、沖縄の為に尽くしてこられた翁長知事のご遺志がこの先も受け継がれ、
これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております。心から、ご冥福をお祈り致します〉
といったコメントを発した。
これを受けて「安室ちゃんは反日なの?」といった発信がネットを通じて発信されたそうだ。
所謂ネットウヨク・ネット保守と称される安倍政権応援を掲げる人々と思われるが、あまりに短絡過ぎる稚拙な捉え方というよう。そもそもコメントは死者に対する弔いの言辞であり、基地問題に直接触れたものではない。
国防上の施策として長期的に考慮するならば米軍基地を沖縄に存続させ続ける事だけが国土防衛上の目的ではないはず。在日米軍を沖縄のみならず日本から撤退させるために我々は何をなすべきか。そのために今現在の沖縄県民に何をお願いするのか。何を約束できるのかを訴えなければならないはずだ。
在日・在沖縄米軍基地の完全撤退を訴えることは決して反日ではない。
にも拘わらず昨今、ネット上でお手軽に「反日」と言った言葉が独り歩きしている。
言葉は時代と共に変化するというが、嘗て赤報隊事件で朝日新聞攻撃時の声明文に書かれていた「反日分子には極刑あるのみ」、という言葉が現在では安倍政権・自民党政治・在日米軍に異を唱える者を対象としているようにも見受けられる。