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人質解放は事実上の身代金支払いの結果だが

 シリアで拘束されていた安田純平氏が開放されたとの報道あり。

2015年6月の行方不明から3年以上を経過しての開放。

健康状態は分からないがとりあえずは安堵の思いだ。

下記の週刊朝日記事を参照してもわかるが間接的にではあるが日本政府が身代金を支払ったことが窺える。

トルコ・カタール政府かその関連機関が犯人側に支払い、後に日本政府が人道援助かインフラ整備なので名目で同額かそれ以上の金額相当を支払う事になるだろうから、政府によって身代金が支払われた結果の開放とみてよいかと思う。

 日本政府が安田氏のために身代金を支払ったとなれば所謂保守層、に限らず日本の世論がが黙っていないであろう。渡航自粛を呼びかけている危険地帯に勝手に行って拘束されて、国民の税金で解放してもらうなどもってのほか、となる。

 加えて安田氏の救出を支援する人々の多くは「安倍政治を許さない」と、政府批判を展開する政治勢力と重なるところがある。

 安田氏自身も2003年のイラク戦争における米国追従の政府の姿勢に疑問を持っていたし、IS(イスラミック・ステート)によって支配された地域の実態を伝えたいという事で、日本政府の方針とは異なる立場にあった。

 安田氏はイラク戦争直後にも武装勢力に身柄拘束されている。その際にも自己責任論が巻き起こった。

 こういう国内世論の状況を熟知していたから、身柄拘束されても政府による解放交渉を拒否した上で出発したと聞く。

家族にも伝えていたため、積極的に救出を訴える事はなかったとそうだ。

 

 今年7月に安田氏自身が救出を訴える動画が公開された。

「劣悪な状況におかれている。今すぐ助けてください」、と日本語で命乞いする映像であったが、

同時に「私はウマルです。韓国人です」と付け加えていた。

 この映像を見て私はすぐにピンときた。犯人に言わされているな、と。

彼は自己責任の上で覚悟を持って渡航している。死は覚悟に上だ。日本政府に身代金を払ってもらっておめおめと帰国なんかできない。

 犯人グループは身代金を取りたいから命乞いをする人質の姿を強要した。

「ウマルです。韓国人です」と虚言を弄したのは、「命乞いをするこの映像全てが嘘でです。自分の意思でないことを無理やり言わされているんですよ」、とのメッセージである。つまり救出しなくて良い、と言っているのである。

安田氏の人間性を知る人々であれば容易に察しがつくはずだ。

 

 安田氏との接点は2002年12月にイラクへ渡航したときが初めてであった。

翌年3月に米国がイラク戦争を開始する直前、戦争回避のためにイラクへ渡航したのだった。

アラブ・イスラム文化協会の訪問団として10日程かけてイラク渡航し、イラク各地を訪問したり、政府高官との会見やバグダッド市内で市民を巻き込んだ平和パレードを開催した。

 当時、経済制裁下のイラクへの渡航は難しくマスコミ関係者でも入国査証の取得が困難であった。

私は長年に渡りイラク国内で人道援助活動等を行っていたのでイラク国内の受入団体から招聘状を発行してもらう事は容易い立場にあった。

 文化協会のジャミーラ氏を団長として30人ほどが集まったが三分の二はマスコミやジャーナリスト。三分の一がボランティア・人権活動家であった。

 殆どはイラクへの渡航は未経験。安田氏にとっても初渡航であり、当時信濃毎日新聞の記者であったが休暇を取り自費で参加したと思う。

 若い情熱を持った精悍なジャーナリストという印象であったが、特に左翼的思想を持っていた風ではなかった。後で聞いたところ一橋大生時代はで少林寺拳法部在籍ということだから、それなりに腹の据わった人物であったと思う。

 

だからこそ、自己責任を全うする覚悟があっての渡航であったと思う。

今回帰国した折には、所謂保守層からのバッシングが待ち構えているだろう。

 政府が関与しての救出は安田氏にとっては不本意であったかもしれない。

 しかし政府とはそういうものなのである。本人がどう言おうと在外邦人を救出する義務があるし、その姿勢を国民に見せなければならない。(実際には世論の動向等に左右されてはいるが)

彼の救出のために寝食を惜しんで奔走するプロジェクトチームが存在する。

国民の血税が回りまわって犯罪者側に提供されることになる。

 ジャーナリストとしての純粋な使命感によって、多くの弊害が生じたことになる。

が、彼の発した「私はウマルです。韓国人です」のメッセージには極限状態で最後の矜持を発揮したものとして敬意を示したい。

 

 

 

安田純平さん解放へ 身代金とトルコとカタールとの“密約”

週刊朝日オンライン

 トルコ国境からシリアに潜入し取材中だった、安田純平さん(44)が現地の反体制武装勢力に拘束されてから約3年。昨日夜、菅義偉官房長官が記者会見し、安田さんが解放され、シリア国境に近いトルコ南部アンタキヤの入管施設に保護されたと明かした。

安田純平さん (c)朝日新聞社© Asahi Shimbun Publications Inc. 提供 安田純平さん (c)朝日新聞社

 外務省職員はすでに現地に到着しており、日本時間の24日午後3時頃、最終的な本人確認を行う予定だ

 これまで武装勢力から銃を突き付けられた映像が流され、やつれた状況が一方的に動画で流されるばかりで、解決の糸口が見えなかった安田さん。

 今回の解放については、2週間ほど前から「解放されそうだ」との情報が流れていた。

 10月17日午後には、解放された模様との情報が流れ、マスメディアが裏どりに走ったこともあった。安田さんの解放交渉には「官邸のテロ対策の特別チームが日本政府の窓口となって当たっていました。政府が頼ったのが、シリアの隣国、トルコとカタール。菅官房長官が記者会見で、解放の情報がカタールから寄せられたというのは、そのためです」(政府関係者)

 武装勢力との仲介に、トルコの現地人が派遣されていた。そこでは何度も、身代金要求があったという。

「当初の身代金は何十億円とか言ってましたが、時間が経過するにつれ、金額は下がっていった。最後は数億円とも聞かされた。しかし、日本政府は身代金を支払わないという大前提があり、交渉はなかなか進みませんでした」(前出・政府関係者)

 内戦が続いているシリア。今年になって政府軍が優位に立ち、シリア各地で攻撃をかけて制圧。あまりに残虐な空爆、砲撃に国際的非難が高まり、国連安保理でも停戦決議が採択された。政府軍は今年夏には、ほぼシリア全土を手中におさめた。反政府の武装勢力の拠点とされるのが、安田さんが囚われていたイドリブ県。イドリブ県は旧ヌスラ戦線の勢力が強い地域で、同組織は外国人ジャーナリストらを誘拐して身代金を得てきた。そこに総攻撃を政府軍がかけようと計画が進んでいた。

 そこに、ロシアとトルコが会談し、イドリブ県の一部に非武装地帯をつくることで、合意。なんとか、政府軍の総攻撃作戦は止まった。

「政府軍の総攻撃となると、武装勢力は安田さんの身柄をどうするのかわからない。最悪の場合もあると、緊張しました。あの時はロシア、トルコに感謝でした」(前出・政府関係者)

 日本政府はその後もトルコやカタールを経由して、交渉を進めた。

 9月中旬に政府軍の総攻撃は回避されたが、武装勢力はいつ大きな衝突になるか、時間の問題だった。

「武装勢力もずっと安田さんを拘束していることが重荷になってきたという情報がトルコやカタールからもたらされた。ここがチャンスだと、動いてもらった。9月下旬からは、24時間体制で対応にあたっていた」(前出・政府関係者)

 そして昨夜、安田さんが解放されたとカタールからもたらされ、トルコも確認した。

「菅官房長官は先週から、いつ解放されるかとずっと緊張状態だった。解放が伝えられるとホッとした表情で、よかった、よかったとスタッフをねぎらっていた」(自民党幹部)

 日本政府は身代金を払わないとしていた。だが、一部の報道では、カタールから身代金が支払われたとの情報がある。

 日本も過去、1999年8月キルギスタン南部で日本人技術者が誘拐された際、200万ドルとも300万ドルともいわれる身代金が支払われたのではないかと報じられた。

「今回はカタールが支払ったというんだから、それでいいじゃないか。トルコとカタールが良好な関係。そして、安倍首相はじめ日本と両国もいい関係にあることが無事解放の一番の理由だ。今度は日本が何かの時に形をかえて、カタールやトルコにお礼をすればいい。杓子定規に払っちゃいけないとやると助かる命も助からない。そこは阿吽の呼吸、“密約”を結んでやったんでしょう。まあ、何十年かして、歴史が振り返られるようになった時に真相がわかるんじゃないか。とにかく無事でよかったじゃないか」(前出・自民党幹部)

(今西憲之)

 


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