1月27日にテレビ東京で放映された昭和の大事件スペシャル「あさま山荘事件とははなんだったのか」、が高視聴率だったそうだ。
昭和生まれの世代にとっては忘れ難い大事件であり、なぜにあのような事件が起きたのか検証する価値はあるだろうし、我々のような体制の転換を目指し政治活動に従事する人間としては他山の石とすべきところはある。
難攻不落の要塞の如く山の斜面にへばり付くように建設された山荘を如何にして陥落させるか、攻める警察の側からみていたが、小生としては立て籠もる連合赤軍の側から考察していた。
今から47年前、昭和47年2月19日から9日間に渡り管理人女性を人質にとって警官隊との銃撃戦を交わし全員が無傷で逮捕された。
犯人は10代から20代の5人。20代の三人は共に国立の東京水産大学・京都大学・横浜大学に通っていた謂わば高学歴の若者。
世間で言うインテリの部類にあり思想面から運動に没入した結果、暴力革命を目指し武装闘争に突入していく。
特段にプロの軍事経験者の指導を仰いだわけでもなくアマチュアの延長線上に訓練を重ねた結果、鍛えに鍛え上げた現職の機動隊員を向こうに廻して9日間に渡る激闘を戦い抜いた、そのスキルと体力はどこから来たのか。
警視庁第二機動隊の隊長と中隊長の頭を銃で打ち抜いて殺害しているし、他の隊員にも銃撃で失明させているなど、頭部を銃弾で撃ちぬくといった事で銃の扱いもプロのスナイパー並みではないか。
9日間の立て篭もりの過程において各人の葛藤や確執があったそうであるが、最後は警官隊に立ち向かい射殺されるくらいの結末を迎えて欲しかったと、その当時幼心に思ったものだった。
我々とは思想的には全く逆の立場にいた彼らではあるが、金城鉄壁の護りを築いている国家権力を此処まで翻弄せしめたパワーと言うか覚悟には見習うものがあろう。
よく麻生太郎氏がナチスを引き合いに出して世の顰蹙を買うことがあるが、反面教師としてでも考察の価値はある。
近年においてはオウム真理教事件においても国家転覆を狙い擬似国家を形成しサリンやVXガスによる武装を行っていた。
リモコンヘリでVXガスを会期中の国会議事堂上空で散布するといった計画も実現一歩手前まで来ていたというから、事と次第によっては体制を転覆させる可能性もあった。
勿論、我々の目指す国家革新運動とはその目的も手段も相容れないものである。
無辜なる民間人を巻き込む卑劣なテロ行為に対しては一片の同調を示すものではないが、今の我々陣営が此処まで国家権力に対し脅威を抱かせる事ができないのも事実だ。