東京都江東区で発生した強盗殺人事件。
事前に電話して現金の有無を確認するなど、特殊詐欺の発展型ということで、その手口に注目が集まっている。
一般的に強盗殺人というと包丁などの凶器を用いて人を殺して金品を奪う凶悪事件を連想するが。今回の事件では犯人に殺意があったのだろうか。
警察は大々的に強盗殺人事件と銘打っているが、犯人に確固たる殺意がなければ強盗致死事件である。その点は犯人が逮捕されて殺意を否定すれば裁判において明らかになるのだろう。
強盗に押し入った犯人が事件の発覚を遅らせるために被害者の身柄を拘束し、助けを呼べないように猿轡を噛ませる。昔からあった手口だ。
ただ、従来は手拭等を用いて呼吸はできるが文字通りの猿轡状態で大声が発せられない状況を作っていた。
しかし近年においてはテレビの刑事ドラマでみるように安易にガムテープを用いて口を塞ぐようになっている。
これが問題なのだ。普通に頭脳を働かせれば理解できることであるが、ガムテープで口を塞げば人は死にます。
人によっては鼻腔内が湾曲していたり狭まっていてスムースな鼻呼吸ができない人がいる。私もその一人なのだ。
また、緊縛強盗に合い悲壮感から泣き出す人がいる。鼻水が出ることで鼻が詰まり鼻呼吸ができない。
口はガムテープで寸分の隙もなく塞がれているから当然、窒息死するしかない。
手拭等による猿轡であれば大声は出せないが、呼吸はできる。
緊縛強盗なんかやる人間は知恵が薄いからそのような当たり前のことが理解できない。
テレビでは盛んに内容も薄っぺらな刑事ドラマがゴールデンタイムを席巻しているが、
これでもか、というように次から次へと連続的に殺人事件が繰りひろげられえている。
そこには生命の尊厳や死者への哀悼もなく、大切な家族を失った遺族の悲しみも描かれることはない。
そんな軽薄なるストーリ展開の中で緊縛強盗や拉致監禁場面も多用されているが、被害者の声を塞ぐ手段としてほぼ100%ガムテープが用いられている。
監督かディレクター、または俳優が実際に長時間ガムテープで口を塞がれて鼻呼吸だけに頼ってみたらよい。涙ポロポロ、鼻水ダラダラを体験してみれば生命維持が困難なことが理解できよう。
テレビドラマ製作者と同等程度の意識で緊縛強盗を行い被害者を死に至らしめた憎き犯人であるが、
彼らは殺人者ではない、と言わざるを得ない。
小生が裁判官なら罪刑法定主義の原則を以って死刑判決も無期懲役も下す事はできない。強盗致死罪でせいぜい20年か30年の懲役が限度ではないか。
小生のように「ガムテープで口塞げば人は死ぬ」、との社会常識を有した人間が犯人であれば強盗殺人罪が適用される。確固たる殺意はないが未必の故意による殺人罪となる。
こういった社会常識と言うか人体の構造をしらない押し込み強盗を計画している奴らに対し、政府や警察庁は大々的に広報宣伝すべきなのである。
「大声で助けを呼ばさせない為にはガムテープでなく日本手拭で口を塞ぎなさい」「勿論、緊縛強盗や拉致監禁をやってはダメだけどガムテープ使えば殺人者になりますよ」と、テレビやネットで知らせたり教育現場で啓蒙してやらねば益々悲惨な犠牲者が出る事になる。
江東のマンション遺体、強盗殺人容疑で捜査 窒息死か
東京都江東区のマンションの一室で2月28日、住人の加藤邦子さん(80)が死亡した事件で、司法解剖の結果、死因は窒息死の疑いがあることがわかった。警視庁が1日、発表した。同庁は加藤さんが殺害されたと断定し、深川署に捜査本部を設置した。今後、強盗殺人の疑いで捜査する。
捜査関係者によると、加藤さん宅には事件前、家に現金があるかを尋ねる「アポ電」と呼ばれる電話がかかってきていた。3人組が手足を緊縛する手口とともに渋谷区で今年あった2件の強盗致傷事件と酷似しており、警視庁は今回も同一グループの犯行の可能性があるとみている。
加藤さんは2月28日午後1時55分ごろ、江東区東陽5丁目の自宅で死亡しているのを掃除のために訪れた介護の職員に発見された。両手首をラップのようなもので、両足首も粘着テープで縛られており、口付近にも粘着テープが貼られていた。