刑事被告人が出廷するにあたり、ネクタイ・ベルトの着用が認められる方向で検討中とのことだが、このような議論が今まで起こらなかったことが異常ではないか。
裁判というのは著しく「裁判官の心象」によって判決が左右されることが多々ある。謂わば裁判官の前で「いい子」にして媚びへつらって、事の善悪を論じないでひたすら贖罪の念を表さなければ重刑を科せられることになる。
この現状は不当な慣例であるが、その上に追い討ちを掛けるがごとく、保釈を認められない被告人はみすぼらしい姿で法廷に立たされなければならない。
つまりは公判を前にして保釈が認められるか否かが大きな分かれ目となる。被告人側が保釈申請を出しても、正当な理由がなく却下されることがあまりにも多すぎる。拘留の場合も同様であるが、明らかに証拠隠滅も逃走の恐れもなく、定まった住所を持っていても、単なる懲らしめの為に保釈申請を却下することが多い。特に思想事件など確信犯と言われる被告人については多く見られる。
罪は罪として厳正に罰せられるべきであるが、被告人を貶めるための現在の裁判制度は早急に改善されなければならないし、今までこれに疑問を持つことなく改善の努力を怠ってきた者は猛省すべきではないか。
========== 以下、報道記事 ==========
<裁判員制度>被告の服装パリッと 「外見での不利益」回避
5月26日15時3分配信 毎日新聞
2年後の裁判員制度導入に合わせ、法廷での刑事被告の服装が大きく変わりそうだ。現在は拘置所規則でネクタイやベルトの着用が禁止されているため、ジャージーなどラフな服装の被告が目立つ。これに対して「外見で被告が不利益を被る恐れがある」と日弁連や大阪弁護士会などが主張。法務省も柔軟姿勢に転じ、取り外し不可能なネクタイ付きシャツやベルト付きズボンの着用を認める線で落ち着きそうだ。【川辺康広】
受刑者と異なり、被告の服装は原則自由。ところが拘置所には「管理運営上、支障を生ずる恐れがある物」の使用を制限する明治以来の規則があり、所管する法務省は自殺や他人への「武器」に使われる可能性があるとしてネクタイやベルトの着用を認めていない。多くの被告が靴下にサンダル履きなのも「滑りやすくすることで逃走防止を図る」(法務省矯正局)ことに狙いがある。
このため、拘置中の被告はスーツに革靴、ネクタイなどで出廷することはかなわず、裁判官、検察官、弁護士との“落差”が際立っていた。
この現状に疑問を持ったのが、有識者らでつくる「日弁連市民会議」。一般市民が参加する裁判員制度導入に向け、05年4月、「裁判員が被告に偏見を持たない環境を整備すべきだ」と日弁連会長に要望した。ジャージーにサンダルの「被告スタイル」では、裁判員に予断を与えかねず、「推定無罪」の原則が崩れるとの懸念があるからだ。
日弁連は法曹3者の協議会でこの問題を取り上げた。関係者によると、事務レベル協議を重ねるうち、法務省も態度を和らげ、ネクタイ付きシャツやベルト付きズボンを拘置所が貸与して着用を認める案が浮上。最有力になっているという。
最高裁は、法務省と日弁連の協議を静観。鍵を握る法務省は「予算上の問題もあるが、趣旨はよく分かるので前向きに検討していく」(矯正局)と語るが、靴については強く抵抗している。
大阪弁護士会の高見秀一・刑事弁護委員会副委員長は「本来、開廷後の事柄は裁判官の訴訟指揮権や法廷警察権の問題で、法務省がとやかく言うべきではない。ネクタイやベルトはもちろん、靴や、女性被告の化粧も認めるべきだ」と話す。
最終更新:5月26日15時4分
裁判というのは著しく「裁判官の心象」によって判決が左右されることが多々ある。謂わば裁判官の前で「いい子」にして媚びへつらって、事の善悪を論じないでひたすら贖罪の念を表さなければ重刑を科せられることになる。
この現状は不当な慣例であるが、その上に追い討ちを掛けるがごとく、保釈を認められない被告人はみすぼらしい姿で法廷に立たされなければならない。
つまりは公判を前にして保釈が認められるか否かが大きな分かれ目となる。被告人側が保釈申請を出しても、正当な理由がなく却下されることがあまりにも多すぎる。拘留の場合も同様であるが、明らかに証拠隠滅も逃走の恐れもなく、定まった住所を持っていても、単なる懲らしめの為に保釈申請を却下することが多い。特に思想事件など確信犯と言われる被告人については多く見られる。
罪は罪として厳正に罰せられるべきであるが、被告人を貶めるための現在の裁判制度は早急に改善されなければならないし、今までこれに疑問を持つことなく改善の努力を怠ってきた者は猛省すべきではないか。
========== 以下、報道記事 ==========
<裁判員制度>被告の服装パリッと 「外見での不利益」回避
5月26日15時3分配信 毎日新聞
2年後の裁判員制度導入に合わせ、法廷での刑事被告の服装が大きく変わりそうだ。現在は拘置所規則でネクタイやベルトの着用が禁止されているため、ジャージーなどラフな服装の被告が目立つ。これに対して「外見で被告が不利益を被る恐れがある」と日弁連や大阪弁護士会などが主張。法務省も柔軟姿勢に転じ、取り外し不可能なネクタイ付きシャツやベルト付きズボンの着用を認める線で落ち着きそうだ。【川辺康広】
受刑者と異なり、被告の服装は原則自由。ところが拘置所には「管理運営上、支障を生ずる恐れがある物」の使用を制限する明治以来の規則があり、所管する法務省は自殺や他人への「武器」に使われる可能性があるとしてネクタイやベルトの着用を認めていない。多くの被告が靴下にサンダル履きなのも「滑りやすくすることで逃走防止を図る」(法務省矯正局)ことに狙いがある。
このため、拘置中の被告はスーツに革靴、ネクタイなどで出廷することはかなわず、裁判官、検察官、弁護士との“落差”が際立っていた。
この現状に疑問を持ったのが、有識者らでつくる「日弁連市民会議」。一般市民が参加する裁判員制度導入に向け、05年4月、「裁判員が被告に偏見を持たない環境を整備すべきだ」と日弁連会長に要望した。ジャージーにサンダルの「被告スタイル」では、裁判員に予断を与えかねず、「推定無罪」の原則が崩れるとの懸念があるからだ。
日弁連は法曹3者の協議会でこの問題を取り上げた。関係者によると、事務レベル協議を重ねるうち、法務省も態度を和らげ、ネクタイ付きシャツやベルト付きズボンを拘置所が貸与して着用を認める案が浮上。最有力になっているという。
最高裁は、法務省と日弁連の協議を静観。鍵を握る法務省は「予算上の問題もあるが、趣旨はよく分かるので前向きに検討していく」(矯正局)と語るが、靴については強く抵抗している。
大阪弁護士会の高見秀一・刑事弁護委員会副委員長は「本来、開廷後の事柄は裁判官の訴訟指揮権や法廷警察権の問題で、法務省がとやかく言うべきではない。ネクタイやベルトはもちろん、靴や、女性被告の化粧も認めるべきだ」と話す。
最終更新:5月26日15時4分