ベトナム政府は7日、記者会見を開き、南シナ海・西沙諸島(英語名パラセル)近海で「中国が石油の掘削活動に着手し、周辺に約80隻の中国公船などが集まってベトナム巡視船などに衝突や放水砲で攻撃を繰り返している」と発表した。衝突で6人が負傷したと主張。映像なども公開し「深刻な主権侵害だ」と訴えた。

 現場はベトナム中部沖約221キロ。中国は3日、「2日から8月15日まで掘削を行う」と通告し、機材を運び込んでいた。ベトナム政府は「完全にベトナム排他的経済水域(EEZ)と大陸棚に属する」と猛抗議。アジア重視を掲げる米国にも危機感が広がっている。

 会見でベトナム側はビデオや写真などを使って説明。映像などは2〜7日に撮影され、中国船がベトナム巡視船に衝突し、船体が一部破損▽中国船がベトナム船に向かって放水砲を発射▽割れたガラスで負傷した船員が手当てを受ける場面などが映されていた。