平成28年5月19日(水曜日)午後6時から新宿歌舞伎町の喫茶店「ルノアール」会議室において
博友会主催で武蔵村山市議である天目石要一郎氏によるトルコ帰朝報告会が開催されたので出席した。
昨年の市議選で市議に返り咲いた勢いで、政務調査費を使っての豪勢な出張扱いかと思ったが、
議会閉会中の連休を使い往復4万円の格安チケットを購入しての貧乏旅行であったと聞き
改めて真摯な天目石氏の人柄が滲み出ていると興味を注がれた。
48歳にして学生のようなバックパッカー的井手達で一泊2000円程度の安宿を渡り歩いた10日間であった。
今、シリア難民の流入で注目を浴びるトルコ、そして次代においては世界経済を圧巻する大国になる可能性を秘めるトルコ。
この際だから見られるところをトコトン見てやろうという青年の意気込みと好奇心で訪問したものであった。
空路イスタンブールに降り立ち、バスで観光地であるカッパドキア、首都アンカラなどを渡り歩き現地の人々と接触し、
肌で「トルコの今」を感じてきたという貴重な報告会であった。
アンカラの街では無料のロープーウィイが公共の交通機関として市民の足になっていることに感銘するなど、
日本で唯一鉄道が存在しない「市」の市議として関心を持ったようだ。
日本で言えばsuicaのようなプリペイドカードを持たないとバスにも乗れないということで困っていると
見知らぬ乗客が自分のカードから支払ってくれたとか、長距離バスで予約日を間違えてチケットを購入、
気づかずに座っていると正規の乗客が来てしまい席がなくなってしまったが、バス会社の配慮で
正規の乗客を端っこの席に移動させてそのまま乗車できたなどのエピソードを交え
如何にトルコの人々が日本人に親切に接してくれたかを語ってくれた。
旅の記念にとアンカラからイスタンブールまで新幹線に乗ってみたが、目玉の時速250キロ走行とは
ほんの束の間であり、大方は在来線と変わりがなかった。
中国の技術を導入した故の劣化性が顕著であったと体感したそうだ。
あらゆるところで中国の影響を受け、街中でも中国人と間違われるほどに中国人の進出が著しい。
日本企業はこれから大いに進出する余地があると実感した、とのこと。
当日はアラブ問題の専門家である佐々木良昭先生がアドバイザーとして同席し、専門家の立場からコメントして頂いた。
当初、天目石氏のイラク訪問に関しては危険性も指摘していた。
IS志願者と勘違いされて身柄を拘束されるのではないか、と。
トルコがロシアの戦闘機を撃墜したことで、ロシアとの関係が微妙である。
嘗ては国民から絶大な人気を得ていたエルドアン大統領自身が今は精神的にも怪しい状態であり、いつまで持つかわからない、など
シリア情勢、そしてクルド人問題を含めて大変な状況にあると解説して頂いた。
終了後は、昭和の残照漂う「三平茶寮」に移動して、酒食と共に参加者一同が更なる情勢分析に研鑽を積んだのでした。